2020年11月13日更新
※新型コロナウイルスの流行に伴い、田野畑会場での開催を見送り、全面Zoomでの開催となりました。
「"こどものため"ってなんだろう?」
「こどものため」と言って、私たち大人は様々なことをしています。
その多くはこどもの「幸せ」のためのように思いますが、果たしてそれは本当にそうなのでしょうか。
そもそも『こども』とは、どんな存在なのでしょう。
少し視点を変えてみると、こどもは私たちが思っている以上に、大人にはない世界観や眼差しを持ち、たくさんのことを感じ考え、試みているように思います。
テクノロジーが加速度的に進化し、自然災害や新型コロナウイルスの感染拡大をはじめ予測の難しいことが次々に起こる昨今。そんな先の見えない時代を生きるこども達は、どのように遊び、学ぶ必要があるのでしょうか。
基調講演では、日本の保育界をけん引するお茶の水大学の浜口順子氏に、幼児教育/保育の歴史や変遷から、現代のあるべき幼児教育の姿をお話しいただきます。
分科会では、各分野の実践者・プロフェッショナルをお呼びし、参加者の皆さまにはグループに分かれて学びを深めていただきます。
分科会1は、自然の中で育つこどもにはどんな力が育まれているのか、大人の価値観をガラリと変える「見守る」という関わり方の真髄について。
自然体験活動とこどもとの関わり方のエキスパートである野村直子氏と、岩手県釜石市で「感覚統合」という概念を軸に自然の中で育つ体とそれを土台とする心を育むホースセラピーを実践している黍原豊氏からお話し頂きます。
分科会2は、こどもの育ちをみんなで支えるという視点から。
一筋縄ではいかない教育行政において「こどもがまんなか」の教育に向けて、長野県池田町の教育長として最前線で活躍されている竹内延彦氏と、乳幼児期の親子関係を研究している青山学院女子短期大学の菅野幸恵氏からお話し頂きます。
「"こどものため"ってなんだろう?」
きっと答えはすぐには出ないし、むしろ”こどものため”を手放す方が良いのかもしれません。
正解の無い問いに対して教育・保育界のプロフェッショナルと一緒に様々な視点から考え、日々のこどもとの接し方、保育現場の改善、行政における施策反映など、各教育現場にヒントを持ち帰っていただける1日となれば幸いです。
【デザインには特定非営利法人ハックの家、松家圭輔さんの絵を使用しています。】
開催概要
日時 |
2020年11月15日(日) 10時00分~17時00分 ※途中入退場自由です! |
場所 | ①田野畑村 アズビイホール・アズビイ学習センター(岩手県下閉伊郡田野畑村和野278−3) ※新型コロナウイルス感染対策のため、岩手県内在住の方限定となっております。 ②zoom会場 ※お申込み&ご入金いただいた方には、後日URL等のご案内を致します。当日までに接続環境をご用意ください。 |
参加費 |
500円 (ただし田野畑村在住の方は無料です。) |
主催 | 田野畑村 |
企画運営 | いわて自然×幼児教育フォーラム実行委員会(委託執行者:一般社団法人 燈) |
共催 | 田野畑村教育委員会 |
後援 | 田野畑村社会福祉協議会、釜石市 |
協力 | 日本総合研究所、特定非営利法人ハックの家 |
備考 | ・欠席された方や途中退出された方、また復習したい方向けに、フォーラム終了後に録画配信します(12月末日まで視聴可能))。 ・Facebookグループにて参加者コミュニティを作りますので、終了後も続く学び合いの機会として頂けます。 |
お申込み | |
お申込み期限 | 2020年11月14日(土)18:00 先着順で、定員に達し次第締め切らせて頂きますので、ご了承下さいませ。 〈定員〉 ①田野畑村 アズビイホール・アズビイ学習センター 30名 ②zoom会場 70名 |
お問い合わせ | お問い合わせフォームまたは、090-3439-6128(高浜大介)までお電話下さい。 |
◎◎企画の背景◎◎
岩手県田野畑村は、厳しい自然環境だからこその人材育成に着目し、1965年から「教育立村」を掲げて参りました。
人口減少や高齢化、経済の縮小など地域の持続可能性が危ぶまれる現在、地域の担い手や子どもたちを増やすためにも、地域の未来、地球の未来を拓く保育・教育とは何かについて調査・研究を始めています。
企画執行団体である一般社団法人燈(https://tomo-shibi.org/)は、仕事創り・暮らしの魅力化による移住者誘致などを通じて、北岩手一体の地域活性を図って参ります。森のようちえんの開園準備、イエナプランなどを参考に自主自律に重きを置いた小中教育の調査などを手掛けています。
タイムスケジュール
10:00-10:30 開会式
10:30-12:00 基調講演+ディスカッションタイム
12:00-13:15 昼食
13:15-14:15 分科会1
(2つの分科会から1つ選んでいただきます。)
14:15-14:30 休憩
14:30-15:30 分科会2
(2つの分科会から1つ選んでいただきます。)
15:30-15:45 休憩
15:45-16:45 フォーラムの振り返り「”こどものため”ってんんだろう?」
16:45-17:00 閉会式
ロレオール田野畑のランチ
ご希望の方は、ロレオール田野畑の地産地消ランチのご用意が可能です。
1500円/人
※当日の受付時に現金でお支払い頂きます。できるだけお釣りのないようにご用意ください。
※ご希望の方は、申し込みの際に所定の欄に✔を入れて下さい。
※写真は店舗での提供料理写真でイメージです。当日はワンプレート盛り+スープ+パンになります。
キッズスペース
お子様が遊ぶことのできるキッズスペースを用意しております(キッズスペースでも講演を中継しております)。
担当スタッフは常駐しますが、保護者の方の監督のもとご利用ください。
新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、託児はありません。
また、キッズスペース内に、授乳室、おむつ替えコーナーも用意しております。
お気軽にご利用下さい。
お馬さんとのふれあいコーナー
講師の黍原豊氏主宰の三陸駒舎さんが、お馬さん(笑馬ちゃん)を連れてきてくれますので、触れ合うことが出来ます。
11:30〜12:00には乗馬体験も可能です(40キロ以下のお子さま対象)。
ご希望の方は、受付の際にお申しつけ下さい。ただし、全てのご希望に添えないこともありますので、予めご了承下さい。
こんな方におすすめです!
・コロナ禍における教育の在り方を考えている方
・本物を使った自然の中での教育に関心のある方
・「森のようちえん」に関心があり、その良さを詳しく知りたい方
・自然豊かな田舎へ移住して子育てしたい父親・母親の方
・教育や子育てを魅力化して子供の数を増やしたいまちづくりを考えている行政の方
こんなことが得られます!
・保育/教育界で起こっている最新の変化が分かります。
・保育/教育、子育ての中で、本当に大事にしたいことを考えることができます。
・こどもの育ちについて、幅広い視点を持つことが出来ます。
・「こども」という存在に対する考え方を再考する機会が得られます。
・同じような関心の方と出会うことが出来ます。
講演者
基調講演
「日本の幼児教育の変遷と「自然」について」
「森のようちえん」や「野外保育」と聞くと、とても特別なことをしていると思われがちですが、実はそうではなく、保育にとって、自然との関わりやこどもの主体性を育む関わり方は不可欠なものです。
基調講演では、これまでの保育(幼児教育)を紐解きながら、今の日本の保育(幼児教育)において、こどもの自然とのかかわりがどのように「推奨」されているのか、その考え方にはどんな背景があるのか考えてみます。戸外で遊ぶことの重要性、行事と季節の関係、光や風、森や園庭、水や土、天気と服装、倉橋惣三(1882-1955)の「森の幼稚園」の考え方などに触れながらお話し頂きます。
海外の保育も視野に入れ、日本の特徴や私たちが当たり前に思っていることを再認識し、一緒に考える時間にしましょう。
浜口 順子(はまぐち じゅんこ)氏
お茶の水女子大学文教育学部子ども学コース教授
1981年お茶の水女子大学卒業。その後、同大学博士課程修了、オランダ・ユトレヒト大学教育学研究所留学、十文字学園女子大学教員等を経て、現職。専門領域は、保育学、幼児教育学。3児の親。そもそも保育とは?というような根本的な疑問をもって「子ども学」に関わっている。『幼児の教育』誌編集長。
分科会1
1-1「自然の中で育つ子どもの力と大人の関わり方」
“自然の中で育つ”とは…?こどもが自然の中で遊ぶイメージはなんとなく出来るものの、実際に子どもたちは自然の中でどう過ごし、何を感じ得ているのでしょうか。自然の中で過ごす子どもたちの事例を元に、そこにはどんな世界が広がっているのかをお話し頂きます。
また、そんなこどもたちを取り巻く私たち『大人』という存在はどうあるべきなのか。今の時代に必要な大人の視点や、大人とこどもとの関わり方、こどもと関わる上での困りごとをどう考えるかを交えて、お話し頂きます。
野村 直子(のむら なおこ)氏
一般社団法人new education LittleTree 代表理事/
NPO法人森のようちえん全国ネットワーク連盟 理事/
株式会社わくわくbase 顧問
子どもと自然をキーワードに、国内外での保育と自然体験活動などの経験を重ね、保育のアドバイザーや研修講師として活動中。「地球の未来を創る人材(リーダー)が育つ場」を理念に掲げ、近年は東京都主催事業で保育アドバイザーとして携わり、活躍の場を広げている。とくに保育者・保護者向けの研修は、対話を通して新しい視点や気づきが得られると好評で、保育の「質」を模索する人々から、絶大な支持を集めている。
1-2「子どものアタマとカラダを育てる自然体験ー岩手の現場で見えてきたこと」
自然の中で遊ぶと、かしこいアタマとカラダが育ちます。その理由を7つの感覚からヒモ解きます。(第六感のような怪しいモノじゃありませんよ)「様々な感覚情報を脳が処理(統合)して、適切な行動に移す」という、感覚統合という考え方があります。三陸駒舎では、この感覚統合をベースに、乗馬や馬の世話など馬と様々な形で関わったり、森や川で活動したりしています。現在、毎月延200名の子ども達の利用があります。その実践の様子も交えながら、どの様に場を設定して、どの様にこどもと関わると、こどもが自ら育つのか考える機会にしたいと思います。
黍原 豊(きびはら ゆたか)氏
三陸駒舎 共同設立者・理事
岩手大学農学部卒業後、NPO法人岩手子ども環境研究所(森と風のがっこう(葛巻町))、岩手県立児童館いわて子どもの森にて、自然エネルギー教育、環境教育、子どもの居場所づくり、子ども支援者の育成研修などに携わる。2013年から釜援隊として復興まちづくりに携わる中で、地域固有の文化再生と継続的な子ども支援の必要性を実感し、2015年4月に三陸駒舎を設立。
分科会2
2-1「子ども主体の保育・教育の実現に向けてー地域や行政ができること」
「教育県」として有名な長野県。森のようちえんをはじめとする「自然保育」の先進地でもあります。そんな長野県の池田町では、保育・教育関係者と保護者が一丸となって、豊かな子育ち環境づくりを推進しています。
自己肯定感をはじめ、非認知能力を育むことのできる、本当の意味での「こどもがまんなか」の教育の実現に向けて、現場の声を大切にしながら奔走される竹内さん。これからの教育に求められることや、教育長という立場で何を目指しどう取り組んでいるのか、行政の視点も含めてお話し頂きます。
竹内 延彦(たけうち のぶひこ)氏
長野県北安曇郡池田町(いけだまち)教育長
1967年長野県生まれ。大学と大学院で臨床心理学を学び、フリースクール、企業、NPO、行政と立場を変えながらも子育て支援や保育・幼児教育の充実、発達障がい・不登校・高校中退・ニートひきこもり等の支援に幅広く携わる。長野県庁での8年間は、阿部知事の下で「信州型自然保育(信州やまほいく)認定制度の創設と普及推進にも携わる。2019年1月より北安曇郡池田町の教育長に就任。30年間の学校教育の外側での様々な経験を活かして「子どもがまんなか」の学校と地域づくりに挑戦中。
2-2「子どもの育ちをみんなで見守る―自然環境と子育ち・地域での子育ての可能性」
自主保育、青空保育、森のようちえんなどへのフィールドワークの経験から、ともにこどもを見守る子育て、自然のなかでのこどもの遊びについてお話し頂きます。
一人で孤独に子育てするのではなく、できることの多さ早さを競争するのでもなく、ともにこどもの育ちを見守り、苦しみも喜びも分かち合うことのできる人間関係は、親にとってもこどもにとっても大きな意味をもっています。
またこどもにとって自然豊かな環境は遊びの宝庫。遊具などがなくてもいくらでも飽きずに遊ぶことができます。自然の中での遊びがこどもの発達にとってどのような意味をもつのかについてもお話し頂きます。
菅野 幸恵(すがの ゆきえ)氏
青山学院女子短期大学子ども学科教授(発達心理学)
研究活動は乳幼児期の親子関係に関心を持ち続けてきた。近年は、自主保育、青空保育、森のようちえんといった活動に子育ち・子育ての場としての可能性を感じフィールドワークを続けている。
ご注意
● 主催者の都合による中止の場合を除き、購入済み参加券のキャンセルはご対応しかねますので、ご注意ください。
● お申込時にご入力いただいた個人情報につきましては、主催者である、いわて 自然×幼児教育フォーラム実行委員会、およびpeatixが、それぞれの個人情報取扱い規定にもとづき管理させていただきます。
● オンラインミーティングツール「Zoom」を使用して行います。開催日程が近づきましたら、当日の「Zoom」URLをお送りいたします。事前に「Zoom」のインストール、最新版へのアップデートをお願いいたします。当日の参加者側の環境での接続や音声の不備はフォローできかねますので、ご了承ください。
※使い方:https://hashikake.jp/articles/how-to-zoom-ep01
①使い慣れたPC・タブレット・スマホ
②安定し速度のあるインターネット回線への接続
③雑音が少なく話しやすい静かな場所
④当日は「Zoom」の機能を機能をつかったグループワークをする予定です。音声ONにできる環境でのご参加をお願いいたします。(背景はバーチャル背景でも構いません。)
新型コロナウイルス感染拡大防止のためのお願い
本フォーラムは、新型コロナウイルス感染拡大防止策を講じた上で開催いたします。
・入場前の手指消毒、マスク着用、検温、ソーシャルディスタンス(社会的距離)の確保にご協力頂きます。
・天候に関わらず、休憩時間に換気をさせて頂きます。
・当日体温が37.5度以上の方や風邪症状のある方、開催日の前2週間のうちに感染拡大地域へ行かれた方はご参加をご遠慮頂きますようお願い致します。
実行委員会メンバー紹介
実行委員長/深澤 鮎美
(ふかさわ あゆみ)
自然あそび広場 にここ代表/保育士/パーマカルチャーデザイナー
埼玉の自然派保育園で9年勤めた後、釜石に移住。2017年から自然保育の推進を行う。定期的な親子型の森のようちえんを、2020年からは田野畑村との2拠点で開催中。
ひとこと:今回のご縁や出会いを大切に。“こどものため”をみんなで探求し続けていきましょう◎
高浜 菜奈子
(たかはま ななこ)
株式会社アースカラー/NPO法人地球のしごと大學
2児の母。青森県八戸市出身。趣味の娘観察が高じて&地域づくりにおける教育の重要性を感じて、教育・子育て関連の仕事を担当。移住した田野畑村にて野外保育の場を創るために奮闘中。
ひとこと:二人の愛娘に育てられる日々。たくさんの気づきを皆さんとシェアし合いたいです!
宮本 妃菜
(みやもと ひな)
たかたもりあそび代表/臨床心理士/公認心理師
大学生のときにボランティアで陸前高田を訪れ、放課後児童クラブで子どもたちと遊んだことを機に臨床心理学に転向。大学院のときにたかたもりあそびを始め、修了後に陸前高田に移住し2年目。
ひとこと:自然の中の子どもと同じく、私たちも「みんなで考える」という育ちあいの時間にしていきましょう!
涌井 陽
(わくい よう)
早稲田大学文学部/(一社)燈 インターン
高校の修学旅行で田野畑村を訪れ、寛大な林野と大海、村民の暖かさに一目惚れし、大学入学後も田野畑村で活動。大学では教育学を専攻し、オルタナティブ教育の研究を進める。
ひとこと:オンライン、オフライン、一体となって楽しみましょう!
清水 冬音
(しみず ふゆね)
宮城県多賀城市、仙台市をフィールドに活動中。昨年、宮城県で開催した「こどもと森とみんなの未来」実行委員長。
ひとこと:岩手県、宮城県、ほか東北各地でもこんな場が広がっていくと嬉しいです!広げていきましょう~。
岡田 早希
(おかだ さき)
「えがおのはなさくみんなのほいくえん」保育士
岩手県花巻市東和町出身、大学生時代は仙台で過ごし、卒業後宮城県加美郡加美町に移住し2年目。
ひとこと:生まれ育った岩手県でこのような素敵な場が開催されるのを嬉しく思います♪今回のようなご縁や学びを大切にしたいですー!